頸、肩、腕や肩甲骨の内側背中に発症する動作痛(頸、肩を動かしたときだ瞬間痛む)や静止痛(動かなくても自発的に継続して痛みがある)を総称して頚(肩)腕症候群と称しています。原因は頸椎・斜角筋や肩関節における神経・動脈の圧迫に由来し、じっとしていても重だるい、ズーンと締め付けられるような継続した痛みなどの神経痛様症状が主体です。 慢性的な筋緊張により発する「肩凝り」なども頚腕症候群に含めることがあります。首・肩凝りは別途項目を設けていますのでご参照下さい。神経痛は背中上部(肩甲骨から背骨寄り)、上腕の裏側、前腕の表側に症状が出てきますが、その多くは頸椎に原因があります。整形外科でのX-ray、MRI画像診断では、首の骨の隙間が狭くなっている、ストレートネック、頸部椎間板ヘルニア、頸椎神経根症などと説明されることが多いと思いますが、治療法は痛み止め、神経活性薬の服用による保存療法が主となります。
原因の8割以上は頸椎が椎間孔から出てきた当たりで圧迫され血流不足に起因することから、頸椎の脇に鍼を入れ、神経周辺の結合組織の血行回復を促します。痛みが出る背中や腕は、神経の圧迫による間違った信号を受けた筋肉が収縮しっぱなしにより足のこむら返りのような軽い礼痙攣があるからです。痛みが出る筋にも鍼を入れて収縮した筋の弛緩を促します。
痛みは、後ろを振り返った時など、何気ない日常動作で突然発痛することが多いようです。発症後1か月以内であれば、一回の治療で痛みが半減することもああります。週一回、5回ほどで大きな効果がでるかの目途になります。発症から3か月以上経過し慢性化したものは週1,2回の間隔で3-5回で症状が軽減すればその後週1回程度で2-3か月程度継続すると、痛みがでる間隔がかなり長くなってきますが個人差があります。