太腿・坐骨神経痛
症状と原因

挫骨神経痛: 臀部から下肢の裏側、外側にかけ、重だるさや座位から立つ瞬間に強烈な痛みが出て立てない。就寝中にも痛みで目が覚めることもあります。坐骨神経痛は症状が出る部位から付いた名前で、原因を表していません。 その原因として整形外科では腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、等の診断を受けますが、坐骨神経痛はこれらの病名に必ず付随して起こる症状とも言えず、またこれらの病名とは違う病名(筋筋膜性腰痛、椎間関節性腰痛、梨状筋症候群など)でも神経痛が起こり得るので、原因を特定することは難しいようです。 神経は、瞬間的に圧迫されただけでは一過性の痺れや響きを感じるだけで終わります。肘の後ろ内側の凹んだ部位を指先でたたくと小指の方に響きますよね、それです。しかし長時間圧迫され続けると、神経を取り巻いている栄養血管(神経細胞に栄養と酸素と届けます)も虚血状態となることで、神経が酸素等が足りないことを脳に知らせるため、異常電気信号を発します。異常信号を発した神経はこれが支配する筋肉を興奮させ、収縮しっぱなしの状態となり、これを知覚神経(求心性神経線維)が脳に伝え痛みや痺れ、重だるさとして脳が認識すると考えられています。また神経は異常に伸展されてもその走行のどこかに痛みを感じます。腰痛の時、膝を伸ばしたまま腰を前屈すると脚に痛みが走るのはそのためです。前屈は通常痛みがでない動作ですが、神経経路のどこかで圧迫(炎症による周辺組織の腫れが、神経線維に影響を与えていることも含めます)されるていると、そこをが支点となって、そこから遠心方向の神経線維の進展度が増し異常を感知します。 神経の圧迫(絞扼)が強く、比較的太い運動神経線維(遠心性)にも影響をすると、力が入らないという運動麻痺が起こります。  大腿神経痛: 挫骨神経は腰椎L5から仙椎S1、S2が関与しますが、大腿神経はその上位である腰椎L2,L3、L4が関与します。大腿神経痛の痛みは鼠径部、大腿の外側、前面にでます。脚に痛みがでると一般に坐骨神経痛と言われますが、痛みがでる部位により、関与する神経がことなり、呼称も変わります。原因は坐骨神経痛とほぼ同様です。

まなぶ鍼室のはり治療

坐骨神経を圧迫し易い部位は3か所、1)神経が脊髄から枝分かれし、脊椎の外に出た直後にある神経根と呼ばれる部位、2)臀部にある梨状筋下孔と呼ばれ、挫骨神経が臀部奥から筋の間を抜けて表面に出てくる部位。この場合、梨状筋症候群による坐骨神経痛と言います。3)膝裏、もしくは腓骨頭と言われる部位。 大腿神経痛では痛みが大腿外側から前面に出ます。絞扼を受けやすい部位は、神経根と鼠径部です。 治療ポイントは神経根がある、脊椎傍らと坐骨神経の場合、梨状筋がある臀部中央辺りに鍼を侵入させ、双方の鍼を電気コードで通電します。足の方まで関連する筋肉がピクッ、ピクッと勝手に軽く動く程度で痛みはありません。炎症・圧迫により生じた電気信号による異常興奮した神経に、鍼で一時的に別の電気信号を加え、神経の興奮を鎮静化を図ります。一方、痛みが出る部位の筋は収縮しっぱなしの凝り状態にあるので、鍼により筋の弛緩させ、凝り状態を和らげます。

治療回数

一回の治療で、痛みが劇的に消失する例もあります。ただ多くの場合、消えた痛みは時間経過と共にまた再発症してきます。痛みが強い時は週2-3回、なんとは我慢できる程度では週1回を目途に1,2か月継続治療して頂く間に、痛み度合いが減る、痛みが出ない時間が長くなってきます。鍼治療では神経への刺激だけでなく、その周辺組織の血行を促します。むしろこちらが、本質的な治療になると考えます。挫骨に限らず神経痛の場合、一時的でも痛みが治まることが非常に大事です。痛みの負の連鎖を断ち切り、脳に”なんだ、痛くないんだ” と自信をもってもらうためです。

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