内側上顆炎(ゴルフ肘)・外側上顆炎(テニス肘)
症状と原因

正確には上腕骨内側上顆炎、上腕骨外側上顆炎。内・外側上顆とは手のひらを上に向けて腕を前に伸ばした時、肘の内側と外側双方やや後ろにそれぞれ触れる骨の出っ張りです。内側が内側上顆、外側が外側上顆と呼んでいます。手首を反らす、指を伸ばす筋肉は複数あり、その主体は前腕の手の甲側に位置して伸筋群と呼び、外側上顆に付着しています。反対に手首を手のひら側に曲げる、指を曲げる筋肉群は前腕の手のひら側に位置し屈筋群と呼び、内側上顆に付着します。 ゴルフ肘はフォロースイングの際、右利きであれば右手首はボールに当たる衝撃に打ち勝つために反らないよう、屈筋群を収縮させます。この筋収縮が繰り返されると、元の長さに戻らなく張った状態になって、その筋(筋は骨の付着部分に近くなるロープ、ひも状になって腱と呼ばれます)の付着部にも絶えず引っ張りストレスがかかり、炎症を起こして痛みが出ます。従って、手首を手のひら側に力を入れて曲げる動作が多い場合は、ゴルフに限らず同じ症状がでてきます。 テニス肘は右利きであればバックハンドでボールを打ち返す時、右手首を反らす運動になり、これも頻繁に繰り返されると伸筋群が収縮してその付着部である外側上顆に炎症が生じる病気です。

まなぶ鍼室のはり治療

ゴルフ肘とテニス肘は前腕の前面(手のひら側の屈筋群)と後面(手の甲側の伸筋群)の違いだけで、どちらも張って収縮しっぱなしになった筋腹が鍼を入れる治療ポイントになります。患者に指を一本づつ伸ばしたり、曲げたりしてもらいながら一番痛みが出る筋を探し出し、その筋に集中して鍼を入れ15分程度そのままにしておきます。 鍼を入れている間、ズーンとした重だるさが出てきますが、筋が緩むにつれ徐々に和らいできます。 痛みがでている内外側上顆周辺にはお灸を据えます。 また、多くの場合、肩甲骨周りの筋も張っていることが多く、前腕のみならず、上肢・肩:首にも鍼を入れて、関連する全体の筋を緩めるよう診ていきます。

治療回数

個人差が大きいのと、炎症を起こしてから治療開始までの時間によります。発症後1-2週間程度なら1,2回でかなり症状が和らぎます。その後しばらく筋使用を控えるか、治療後痛みが減ったので、すぐまたガンガン筋を使用するかでその後の経過も違います。 慢性化したものは週1回、3-5回を目途に症状の改善を見極めます。その間痛みが半減以下になれば1,2か月継続すると2-3割程度まで改善が期待できます。基本はその間、筋を休ませることも重要です。長引く場合は半年から1年かかりますが、一生痛みが付きまとうことは無いようです。

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