耳鳴り・めまい
症状と原因

耳鳴り:突然発症した難聴(この場合は即数日の入院を伴うステロイド剤投与等で回復を図ります、時間を置かずまず耳鼻科を受診して下さい)を伴わず、思い当たる原因も良く分からない、ある日ある時、ふと気づく症状が鍼灸の治療対象になります。 片方だけ耳鳴りを訴える人が多いのですが、両耳とも同時に耳鳴りを訴える人も1-2割程度おられると思います。病院で受診し、老化現象ということで、特段の治療法が無いと言われることが多いと思われます。耳鼻科的治療法がない、老化や一過性の耳鳴りの原因は、音を内耳神経に伝えるリンパ液の僅かな変質や、内耳神経への伝達諸機能の鈍化等で、耳から入る高音域を捉えられる力が落ちる。一方内耳神経自身にも生理的固有振動があり、内耳機能が十分働いているときは、脳神経がこの固有振動を音として感じないものの、内耳機能変化で外部からの高音域音を感知しなくなった時に、神経の固有振動を脳が認識してしまう、これが耳鳴りだ、との説もあるが確定的なことは分かっていません。 私見ですが、耳鳴りそのものが消失することは無い(上記の説に従えば、神経の生理的固有振動がなくなることは無い)ように思います。ポイントは耳鳴りが意識に上るか、気にならなくなるか、です。自律神経が乱れた状態で耳鳴りを意識してしまうようです。従って耳そのものより自律神経を整えることが耳鳴りを治す(意識しないで済む)ことになると考えます。 めまい:漢字で眩暈と書きます。原因は内耳の三半規管のリンパ流の一時的な乱れです。内耳神経は脳の橋と延髄の境界から出て内耳組織に至る直前で、音を伝える蝸牛神経と、平衡感覚を伝える前庭神経に分かれ、三半規管に達します。三半規管そのものに突発的異常がない限り、内耳神経は副交感神経に影響を受けるため、めまいも副交感神経(自律神経)の乱れによる症状ととらえることが出来ます。

まなぶ鍼室のはり治療

耳鳴りやめまいを訴える方の多くは後頭部下部や頸・肩の凝り、あるいは張って圧すると痛い方が多くみられます。後頭部の骨と頸の境を押してもらうと痛気持ち良さを感じます。この部位は副交感神経が関与していて、目の疲れをとる場所でもあります。12対ある脳神経の内、第7顔面神経はは副交感神であり中耳にあるアブミ骨筋を支配し、聴覚過敏に影響します。これと第8神経の内耳神経の源は直ぐ隣り合っており、頭蓋骨の中を途中まで一緒に走行していることから、内耳神経は副交感神経の影響を受けやすい状態にあります。 耳鳴り、めまいの鍼治療は後頭下部奥の後頭下筋群や後斜角筋に刺鍼し凝りや張りを和らげ、副交感神経の圧迫を取り除くことが鍵になります。勿論中耳・内耳の血流促進のためこれと繋がる耳介周り(外耳)にも刺鍼し回復を図ります。 不眠症と言われる方のほとんどが自律神経の働きを乱されているようです。この自律神経に働きかける目的で、頭に(頭皮と頭蓋骨の間を滑らすように)数本鍼を入れ、鍼同士をコードで繋ぎ10-15分程度100Hzの電気を流します(苦痛はありません)。 また足の中足骨の間、手の中手骨の間にもやはり自律神経のバランスを整える目的で鍼を入れます。背骨の脇に鍼を入れ、その鍼の頭にお灸つけて燃焼します。心地よい暖かさが体全体に感じてきます。

治療回数

週1,2回で3週間が目途。自律神経のバランスが戻れば、冷えを感じずらい、食欲が出てくる、よく眠れる、頭痛が減る、などの変化を感じ、同時に耳鳴りやめまいが軽減され ると共に、さほど気にしなくなってきます。

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