風邪に鍼灸治療?
ここんところ急に寒くなったと思います。晩夏まで猛暑続きだったせいで平温でもそう感じてしまうのかもしれません。で、最近風邪が流行っているそうです。乳幼児の間ではRSウィルスによる風邪症状が流行っており重症化すると生命に関わるといってマスコミが取り上げていますが、RSウイルスに感染しなようにしましょう、おかしいと思ったらすぐ病院で看てもらいましょうというコメント付きです。
間違いとは言えませんが、そもそもRSウイルスも含め風邪症状を引き起こす菌、ウイルスは太古から人類の身近に日常的に存在しており、一生これらに感染せずに過ごすなんてことはまず不可能でしょう。ですからいくら注意していても感染するものと考えたほうが自然です。また風邪やRSウイルスを完全に駆逐する薬はありません、病院で処方してもらうのは解熱剤とか咳止めなどの対処療法薬です。ただ高熱や咳き込んで眠れない症状の時に解熱剤、咳止め薬を利用することで睡眠がとれて体力回復につながるのなら大変有効な手段には違いありませんが。
ところがこれらの菌、ウイルスに感染しても通常人間に備わっている免疫力によって発症しないことが多いのだと思います。たまたま体力が落ちている時に感染後発症することがあり、その場合はさっさと寝て休養をとれば大方の風邪は自然に回復してしまうくらい人間には自然治癒力が備わっています。
風邪かなって感じた時は、ちと疲れや寒さで免疫力がおちているんで体を温めて、あるいは休んで体力を回復してくれっていう身体からの合図なんです。
公衆衛生の観点から菌・ウイルスにできるだけ感染しないようにうがい、手洗いの励行はいいとしても、だからといって感染したら大変なことになると煽ったような言い方は報道機関がニュースを際立たせるためにできるだけセンセーショナルな取り上げ方をしていると勘ぐってしまいます。これによって過剰に潔癖主義を助長するようなことにならないよう注意が必要です。
ところで鍼灸治療は自己免疫力を回復させる効果があることをご存知でしょうか? 鍼灸治療の出番は腰痛、肩凝りだけではないのです。近年の科学的研究では鍼灸刺激が自律神経に作用しこれに影響をうける免疫力の活性化につながっているという報告もあります。特に薬を飲んでも改善しない、極力使用したくないと思われる方には第二、第三の治療法になることが期待されます。