自然治癒力

IPS細胞から臓器が作られ実際の治療に応用される日がまもな来るらしい。多くの命が助かり障害が取り除かれることになり医学に革命的影響を与えるはずと考えられています。

更なる科学の発展により近い将来人間の寿命は伸び続け、いずれ死なない人間が出てくるのでしょうか?

ところでそもそも死ななないことが人類にとって幸せなことなんでしょうか? 

東洋医学でも自然治癒力という言葉がありますが、この意味するところは本来生物にはある程度までの病気・怪我に対し自己修復できる能力が備わっているのであって、治療はこれを最大限に引き出そうとする行為と解釈できます。がしかし東洋医学が金科玉条の如く唱える自然治癒力は、生物体がずっと死なずに生き続けることではないように思います。

自然治癒力は生物個体毎に強弱があるものの、その生物体が生まれ持って備わった力以上の働きはしないでしょう。逆に生物には治癒力とは反対に自然老化力、衰弱力も併せ持っています。なぜなら同じ個体が長期間生存するより一定期間過ぎたら次世代に生命体を引き継いだほうが変化する環境に順応し種の保存・継続を維持できるチャンスが大きいからだと思います。

誰しも長生きしたいと思う事自体自然治癒力の一部かもしれませんが、冒頭のiPS細胞のごとく科学の力で本来持てる治癒力以上の力を借りてでも長生きすることが果たして今後の人という種の保存につながるのだろうか? 

医学というより死生観や哲学の分野になりますが、特に我々先進国の人間は死なないことが正しいことだ思い込み過ぎていないだろうか?

次の記事

ストレス社会