夏至
今日は夏至、日中の長さが一番長い日です。
中国の古代人は一年の天気の移り変わりの観察から陰陽という概念を想起し、これが自然界のみならず、日常生活・政治・経済など人間界にも当てはまると考えた。東洋医学は人が病に陥り、寛解していく様子にも陰陽の概念で説明しようとしたことが始まりと考えられています。もっとも東洋医学という言い方は明治以降、西洋医学と区別するために日本で使われ出したようで、古代においては医学と言えば陰陽の概念そのものであったのかもしれない。
因みに現代中国では東洋医学と言わずに中医学という言い方をするようですが、これは中国共産党政権になって毛沢東以降に使われ出した極最近の言葉のようです。
夏至は日を陽とすれば、陽が一番衰退した冬至から日に日にその勢力を増し続け、最大限の隆盛を迎えた日ということになります。明日から冬至に向かって日一日その隆盛が衰え、逆に陰とされる夜の時間が長くなって行きます。その昼・夜の長さが拮抗した時が春分・秋分の日です。
古代人が人の体も自然界(特に1年周期を成す季節の移り変わりに伴う天文観察)の法則が当てはまると考え、何か不調が出た時でも痛みや不快がある局所のみならず体全体の陰陽の割合にも視点を置いたことが東洋医学の特徴となるのかもしれない。
夏至を迎えるまで日の長さが日々長くなっていくのは心もウキウキするのだが、冬至に向かって日一日、日が短くなっていくのは何か物悲しい気がしてしまうのは私だけだろうか?