肩凝り

肩凝りと言っても、今回はどうやってはりきゅう治療をするかと言う話ではなく、外国人、特に欧米人は肩が凝らないと言われるが本当か? って内容です。

そもそも肩凝りは「肩凝り 夏目漱石」でインターネット検索するとわさっと解説が出てきますが、”指で圧してみると、頸と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。”と夏目漱石の小説「門」の中に出てきたのが”肩凝り”の始まりなんだそうです。

ということは江戸時代の日本人は肩が凝らなかったの?というとそうではなく、”肩が張る”というのが肩凝り症状を表す一般的な言い方だったらしい。

ところで日本人同士ならちょっと親しさを込めて知り合いの肩を揉む仕草をしながら、”○○さん、凝ってるね! 緊張し過ぎじゃないの?”ってな調子でコミュニケーションをとったことがありませんか?

欧米人でも同様に肩を揉むと、中には一瞬身構えポーズをしながらも気持ち良さそうにする人が実は以外に多いんです。一瞬の身構えポーズは日常肩揉みをやられ慣れていないことが原因だと思いますが。

つまり欧米人も肩が凝る人は結構多いんです。ただ肩凝りの症状を肩が凝ったと表現しないだけです。

そもそも我々が一般的に肩が凝ったと抑えて痛気持ちの良い部分はツボ名では”肩井(けんせい)”と呼ばれていますが、この部位は欧米では頸(首)若しくは背中の一部と認識されてるようで英語では”頸(首)が硬い、硬い頸”という言い方が肩凝りの症状を表す言葉に当てはまるようです。

ついでですが、肩を英語に直訳したshoulderと聞くと欧米人は肩先を連想するようで、なんで肩先が凝る(硬い、張る)のかピンとこないというのが実態のようです。日本人でも”肩先が凝ってね”なんていわれたらピンとこないですよね。

最後に肩凝りのはりきゅう治療方法について少し触れてみます。

実は肩凝りの主因は首凝りです。肩凝りを訴える人は肩もさることながら後頭部の骨と首の境目から背筋に沿って肩甲骨の間位まで(自覚はなくてもそのまま腰まで張っているのですが)の張り、凝りが肩に影響しているケースが圧倒的に多いのです。

首が凝る原因はパソコン操作などで頭がやや前倒し姿勢が長時間続くと頭が前に倒れないよう支えている首の後ろの筋肉が緊張しっぱなしになってしまうからです。

はりきゅう治療では症状がある肩にも鍼を刺しますが、多く刺すのは頸の後ろです。その中でも後頭部の骨と頸の堺目は目の疲れを解消するのにも適しています。

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