データ医療

 English guide

体に不調を感じて病院に行く。

症状を医師に訴える。

患者の話を聞いて、とりあえず目視、触診など、自らその部位を確認する医師は少ない。

患者の訴えを聞き、まずはレントゲン写真、MRI、血液検査、尿検査を指示し、出てきたデータを見ながら、所見があればその治療薬を処方、なければ異常が見当たりませんと言って、その場はこれでお終い。

痛いところ、不調なところを目視もされず、指一本触れられずに診察が終わってしまうことはないだろうか?

医療の世界でEBM(evidence based medicine)、「根拠に基づく医療」が謳われて久しい。

医師の個人感覚より、データに基づく判断がより科学的、合理的と考えられている。

目指す方向は正しいと思われる。

だが、ここで問題なのは、

現在取り得るデータだけで症状の全ての原因を突き止めことができるのか?

そもそもデータの基準値が、患者一人一人にとって本当に適切なものなのか?

データの種類そのものも、今後新たな発見、技術進歩に伴いどんどん増えていくはず。

データそのものが、まだ発展途上。

データはあくまで目安、症状を紐解くヒントでしかない。

にも拘わらず、医師も、患者やも現在取り得るデータで全てが解明できるように錯覚する。

一方、ある大学病院に勤める医師の感想として、外来者の7割程度はわざわざ病院まで来なくてもいい症状の患者らしい。

平たく言うと寝ている、しばし安静にしていれば自然に治る程度。

そもそも体の仕組みに関し、現代の医学水準においてもまだまだ解明できていないことだらけ。根拠に基づく的確な治療は全症状の半分にも満たないとある高名は臨床医師はいう。

今後科学技術の発展とともに取りうるデータがどんどん増えて、医学においてますますEBMが重要視されるようになると、そう遠くない将来、診断は人間の医師ではなく人工知能ロボットに任せるほうがより正確で的確になると思われる。

車の運転が自動運転に代わるといわれるように。

そんな時に直接触れる”手当”医師が改めて見直されるかもしれない。

いや医師の役割が実質”手当”になってしまう?

”手当”で症状が治ってしまう症状は将来も減りはしないだろうから。

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