健康寿命100歳まで! ってどう言うこと?

最近あるテレビ番組で「老化を防ぐ最新研究」を紹介し、研究者およびテレビキャスターに「健康寿命100歳が近い将来実現することを願っています」的に番組を締めくくっていました。

現在進められている老化を防ぐ研究が3例紹介されます。第1は老化細胞を除去する、第2は老化を遅らせる、第3は老化細胞を再活性化する。

どれも科学研究としては面白いテーマで興味深い。

ただ最新科学技術を用い、人為的に現状以上に長寿社会を実現することが人類という生命の継続性にはむしろ不利になるのでは、と感じた次第です。

今地球上にざっくり80億人住んでいて、その中で過去50年(半世紀)足らずで平均寿命を20歳程度大幅に伸ばした国は日本を含めわずかだと思います。そんな国で起こっていることは長寿が進むと同時に少子化も進んでいる現実です。

そもそもホモサピエンス(人)が持っている遺伝子は一世代がせいぜい5-60年で次の世代に移行するよう数十万年かけて進化してきたプログラミングで成り立っています。これを一世代、2世代の数十年で科学によって急激に寿命を延ばしても、宇宙の法則に沿って進化してきた遺伝子プログラミングが適正な人口に調整するめに、あえて少子化にし次世代の数を減ずる方向に動いているのかもしれません。

健康長寿が良いこと、だけにフォーカスし研究に莫大な資金が投ぜられる一方、老化は良くないものとして否定的になりがちですとらえられています。

現代医学も臓器ごとに細分化され、更に細胞レベルでの治療に進んでいますが、局所的な治療ができても体全体が衰弱してしまっては元も子もありません。健康・長寿に関しても細胞レベルで対処できたとしても体全体のバランスが崩れ、逆にもっと不健康になってしまうことも考えられますので、健康寿命の研究もそう簡単ではなさそうです。iPS細胞研究も同様です。

仮に科学の力で100歳を迎えたとしたら、こんどは更に120歳まで元気で生きられるはずと期待し益々科学の虜になってしまうのも人間でしょう。

今のところ元気で100歳まで長生きする気構えは持ち続けても、老後は溢れる情報に惑わされることなく、「寿命は天命」と覚悟し、一日一日をご先祖様・天に感謝しあまり先々まで考えず、体に良いとされることを修行僧の如く実施することなく、多少高くても好きなもの食べる回数を増やすとか、好きなスポーツを生で観戦するとか、温泉に行くとか、楽しいいと思えることをやれるうちがその人の健康寿命、天命だとおもうのですが。