筋肉性の痛みはMRI.CTでわからない
ぎっくり腰や頸・肘・膝痛など手足の痛み
脊柱管の中の中枢神経の形状状態はかつて3、40前までは検査前処置として脊髄造影剤を背骨の間から注射してからレントゲン写真を撮って確認していました。
背骨の間から針を入れる注射も痛いし、検査後も造影剤が髄液を通して脳に至り頭痛を起こさぬよう頭を少し高くしてベッドで横になっている1日入院検査でした。
1980年代後半から徐々にMRI,CTが全国の病院に配備されるようになり、簡単に脊柱管内の状態が見える化され、検査が画期的に簡単になりました。
これで椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など中枢神経を刺激して起こる手足まで走る神経痛の痛みの原因は概ね解るようになりました。
ところが手術しても完治しない、予期しなかった新たな部位が痛み出す、など期待通りにならなかったケースが散見されます。
その理由は、腰部・頸部や手足の痛みや痺れの原因がすべて脊柱管内で起こる中枢神経への刺激だけではないということです。
神経系でいえば抹消神経と言われる脊柱管から外に出た後の状態について明確に解る立体画像化はまだ実用化できていません。
痛みがある姿勢の時にだけ出てくる場合、筋肉性の痛みか、動作により筋肉の末梢神経への圧迫から発生するのもが考えられますが、痛くなる動作をしながら動画撮影したとしても、そもそも筋肉がどんな状態になると発痛するかは個人差が大きく、また同じ個人でもその時によって痛みが出たりでなかったり、発痛の病態像がまだまだ未解明の部分が多いためです。
従ってCT/MRI画像で原因診断できるのは一部の病状で、すべての痛みが見える化できたわけではないのです。
ややもすると医療側・患者側双方が画像ですべてが解ると錯覚しがちなのかもしれません。