痩せるツボ
最近かつて勤めていた会社の同期会があって一人の女性から痩せるツボについて聞かれたがその際逆に面白い話を伺った。
”この年になって(50代)痩せたいと思うのは夫や他人の目を意識するからというよりも、自分に対するプライドのため”なんだと。 何かにチャレンジすることは自信を再確認することであり、いくつになっても生き生きしてかっこいいなと感じました。
そこで痩せるツボの話なんですが、経験上鍼をたくさん刺して即効性があるのは脂肪層の多いお腹周りです。重要なツボも含めお腹全体に30~40本程鍼を刺します。鍼で脂肪層の下の腹筋に刺激が加わることで血行が良くなり脂肪の代謝・消費が促されるものと思われます。1,2回の治療で胴回りが1~3cm程度は細くなります。しかしながら一機に10cm細くなったなんて経験はありません。
痩せるツボで話題が多いのは耳ツボと思いますが、1970年代に世間に広まったようです。
なぜ耳ツボが利用されるかというと耳への刺激が自律神経を介して摂食・満腹に関わる食欲中枢に影響することに注目したものです。満腹中枢を刺激することで今までより少ない食事量でも満腹感を覚えるので、食事量が減った分痩せるだろうと期待されるのです。
食欲中枢と自律神経の関係に関しては東京都神経科学総合研究所の下記HPに解説がありますので興味があればご参照下さい。
http://tmin.igakuken.or.jp/medical/12/feeding4.html
耳に自律神経の反射区が存在し、これを介して耳への刺激が全身に作用することを提唱したのはプランス人医師のポール・ノジェで1957年頃のことです。これがすぐ日本にも紹介され日本から中国にも伝わっていったようですが、そもそもノジェ医師は痩せるための治療を探すために耳介の研究をしたのではありません。その後食欲中枢への影響だけに焦点を当てた耳ツボが広くマスコミに紹介されたために耳ツボ、イコール食欲抑制、痩身とのイメージができてしまったようです。
一方食欲中枢はブドウ糖・インスリン等の血中濃度も関与しているので耳ツボ刺激が影響を与える自律神経の作用だけで痩せるという説明は不十分と思われます。
糖分を抑えた食事、糖分を消費するための運動も必要です。また一日の内ある程度の緊張感が生まれる時間があること、規則的な睡眠時間を確保すること、早寝早起きなど鍼治療と同時に生活習慣も見直すことで効率的に痩せる効果が期待されるわけです。