ウイルスと共存
新型コロナウイルスを含め、そもそもどのウイルスもこの地球上で他の生命体同様に生存し続けようとしている。
ウイルスは単独で遺伝子を増殖できず、たえず自立している他の動植物に寄生し、その細胞を利用して自らを増殖させている。
今流行している新型コロナウイルスは古来から動物と共存していたものか、突然変異で最近現れたものか未解明ながら、これまで人には感染していなかった。
相手がどんな生命体であろうとウイルスにとっては取りついた生命体が生き続けることでウイルス自体も繁殖できる。従って取りついた生命体がすぐ死んでしまっては、自らの繁殖機会を奪うことになり、その場合は別の生命体に乗り移る機会に巡り合う必要があり、長期的にはあまり得策ではない。仮に全人類がウイルスにより死滅したら、ウイルス自体も死滅してしまう。
新型コロナウイルスによる死亡者は圧倒的に高齢者に偏在している。高齢になれば体力が落ち、免疫力も下がるからと考えられている。
ウイルス側から見ると、取りついた生命体がより長く生きながられてくれたほうが自身の生存に繋がる。
取りついた感染者に抗体が出来ても、その感染者に取りついた全てのウイルスが死滅するのではなく、感染者が発症しない程度の数は感染者と共存しながら生きながらえることが出来る。
それ故本来ウイルスには取りついた先の感染者が免疫反応という最強の武器により死に至るまで繁殖しない、あるいはできない共存共栄という仕組みがあるのではないだろうか?
高齢者であろうと、ウイルスにとっては本来共存すべきパートナーとして感染したはずが、高齢者が生み出す抗体作用がおぼつかず、残念ながら生命を維持できなくなってしまうのかもしれない。
今回のウイルス感染で残念ながら死亡する割合が多い70代以上の高齢化は、人類史上ここ数十年で成し遂げられたものでしかない。若い世代と同程度、あらゆるウイルスに対抗できるだけの免疫機能維持するまでに人はまだ進化していない。
ウイルスに取りつかれる側のメリットはなにか?
人には有害となるデメリット事象以外ほとんどわかっていない。が、人の遺伝子の中にその役目は分からないが明らかにウイルス由来のものが数多く含まれていることが分かってきた。
総数60兆個とも38兆個ともいわれる人の細胞一つ一つ全てに含まれ、その細胞に必要なエネルギーを供給しているのはミトコンドリアだが、このミトコンドリア、実はウイルス由来で進化の過程で生物と共存するようになったらしい。