空腹のすすめ

最近読んだ本に人間は本来空腹に耐えるように進化してきた、従って

・食事前には空腹感があること

・腹八分目の食事量とすること

が体にとって自然であり最も免疫力、自然治癒力も発揮できる状態だというのです。

男女差で言えば女の方が飢えに耐えるよう食物を摂取出来る時に余分なエネルギーを蓄える装置として皮下脂肪がつきやすく進化したとの指摘です。

我が身を振り返っても朝食は軽く済ませるものの、お昼になったから昼飯を食べ、晩ご飯の時間だから夕飯を食べることを当然としながらも、毎度毎度”ああ腹減った”との感覚がないように思います。

日本ではほとんどの人が三度三度食事が出来きることが当たり前過ぎて、食事ができるありがたさを改めて感じることは少ないのではと思います。だが、毎度さして腹が空いたとの感覚がないままに一人前の量をぺろりと食べてしまうことは生命体としての生きる鋭さを失わせているのかもしれません。

イスラム教ではラマダンと称する断食月がイスラム暦で年に一ヶ月あります。エジプト出身の関取大砂嵐が昨年の本場所中に断食をしていたことが話題になりました。

この教えは敢えて空腹を作り出し、かつて砂漠の厳しい生活環境でも生き残っていく体を作るための知恵だったのかもしれません。

イスラム教発症の地の中東は20世紀に油が出て以来現在のドバイの発展に象徴されるように、厳しい砂漠地帯の自然のままに生活している人はほとんどいなくなり、多くの人々が飽食と宝飾に浸っているかのように見えます。それゆえにラマダン月の断食の重要性は昔よりもっと増しているのかもしれません。

ただし、断食するのは太陽が昇っている昼間だけで、夜はいくら飲んでも食べても構わないのです。 

それゆえ日没直後の食事にありつく様は老若男女みな殺気だっているし、夜中にも食事をして運動はしないもんだからかえって体に悪い状態になっている人が少なくないようです。

昼夜が逆転し、職場も学校も午前中だけとなりますのでラマダン期間中、経済活動も滞っています。

加齢と共に食事の量は減ってくるのだが、今一度日常生活での食事前に”ああお腹がすいた、腹減った”と感じるかを意識し、食事の量を調節するか、運動してくるか、自分の生命力を磨く機会です。

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安倍仲麻呂