鍼灸の健康保険制度

 English guide

鍼灸治療にも一部健康保険が適用されることが意外と知られていない。

理由は事前に医師による”同意書”が必要で、その為にどこかの医院、病院等で受診せねばならない面倒がある。多くの患者さんがそこまでの手間をかけたがらない、従って保険適用している患者数も少ない。

そもそも鍼灸に来られる患者さんの多くは、既に病院に行ったけど症状に変化がない、治らない、という方で、鍼なら効くかもしれないと期待されて来る。そこでまた同意書の為に病院に行こうという気になかなかならない。

もう一つ大きな理由があって、鍼灸の健康保険では表示料金の3割が支払料金になるわけではないということ。1,2回の治療で治る場合、わざわざもう一度病院に行って同意書をもらう費用を考慮すると通常料金とあまり変わらないということです。

費用についてをもう少し説明します。

現行制度ではどんな治療時間、内容でも一回の治療で定額1,620円が保険対象と決められています。保険3割負担の患者の場合、1,620円の7割、千百円程度が健康保険で賄われ、その分患者の自己負担が軽減されることになります。

鍼灸専門治療院の一回の治療費は初回を除き、概ね4~6千円程度と思われます。保険適用した場合、この額から千円程度減額されたものが患者が支払う料金になります。一方同意書を取得するのに医院・病院等で千円強の費用がかかります。其れゆえ1,2回の治療だけでは健康保険を使っても使わなくてもあまり変わらないということになってしまいます。

因みに当まなぶ鍼室では2回目以降通常3,500円の料金が保険適用で2,500円になります。

3,500円の3割、1,050円になるわけはありません。

初めての方は鍼灸治療も健康保険を適用すれば何百円程度で治療を受けられるでは、と期待される方も多いおですが、これを実現するのは

・同意書を廃止する

・保険適用金額を大幅に引き上げる

などの法的改正を経た上で、病院と変わらない多くの患者が来院できる体制になる必要があります。しかしながらそもそも鍼灸治療そのものがその効果を十分発揮するには3分治療ではとても時間が足りない性質があります。従って現行制度下、患者負担が何百円で済む料金設定では治療院経営が成り立ちません。

現状、鍼灸治療で健康保険の適用をご検討頂くには、まず鍼治療を通常料金で受けて頂きその1回の治療で50%以上の症状改善を感じられ、その後も鍼灸治療を続けるのがより効果的と思えること、また治療効果を維持するため一か月に一回以上定期的に治療する場合、その時には同意書発行の依頼書を作成しますので是非ご検討下さい。

但し、同意書の発行は医師の判断によるため依頼書を持参しても発行頂けない場合もあります。

次回は同意書の発行にあたり医師側がどのように考えているのかについて解説します。

 ご予約・お問合せはこちらから