辛味
暑い夏、ややバテ気味と感じる方、食欲増進も兼ねてやや辛い物を食べたくなりませんか?
ここでちょっと蛇足ですがWikipediaによると”辛味”の味は当て字で、本来”辛み”が正しいとのこと。
古代中国では当時の最先端科学としてして五行説という理論が考えだされた。物質や状態は全て五つの性質に分類されるとし、東洋医学の理論形成にも取り入れられた。
味に関しては酸(っぱい)、苦(い)、甘(い)、辛(い)、鹹(カンと読み”塩辛い”と言う意味)の五つです。
現代生理学で舌にある味覚受容細胞からみると、辛いを感じるのは味覚受容体細胞ではなく、痛覚受容体細胞とのことです。(Wikipedia参照) 因みに味覚受容体細胞は酸、苦、甘、鹹、以外に”旨(み)が加わって5つに分類するようです。まあ、少し違っていても味覚受容体細胞なんて概念がなかった時代にほぼ現代科学での認識に近い分類を行っていたことは大したものかもしれません。
因みに古代中国科学、思想における五行説は自然界、社会を分類してみると言う点では客観性を重視する科学の目をもっていたものと関心するものの、その後なんでもかんでも5つに分類できる、すると教条的になってしまうと分類方法に人為性が多く入り込み、科学の視点からだんだん離れてしまうことになってやがて廃れてしまったものと考えます。
夏バテで食欲が落ちた時に辛い物が食欲増進に良いとされるのは、痛覚刺激によって弱った体に少少活を入れるってことでしょうか?
これを自律神経の働きでみると、痛覚刺激は一般に交感神経を惹起(呼び起こす)するので食欲を抑えることになり一件矛盾するように見えます。
ところが辛い物、酸っぱい物、苦い物を食べると体はこれらを排除しようとする副交感神経が働き胃腸を動かすのだとの解説があります。なるほどそう言われるとガテンがいきそうです。ただ辛いものを食べ過ぎると汗が出てくるのは交感神経の作用と思われるので、交感、副交感、双方の自律神経が高まるのかもしれません。
巷では現代ストレス社会は交感神経が優位になり過ぎているので、副交感神経を高める事のみがことさらクローズアップされているように感じますが、自律神経は双方バランスよく活性化されているのが良いとされているので、時々刺激のあるもので交感。副交感双方の自律神経を適度に刺激するのはお奨めでしょう。